開催報告

 令和5年10月7日(土)、日本全体で女性の活躍を後押しするため、全国の女性首長と経営者による会議「びじょんネットワーク(通称:びじょネット)」を開催いたしました。
 5回目となる今回は、東京商工会議所及びオンラインにて登壇者の方々にご参加いただき、YouTubeでライブ配信を行いました。

オープニング・参加首長ご紹介

 本イベントにオープニングからご参加いただいた首長の皆さまをご紹介しました。

開会のご挨拶

 開会に先立ち、本イベントの共同座長である小池百合子東京都知事、吉村美栄子山形県知事と、日本・東京商工会議所会頭 小林健氏より、開会の挨拶が行われました。

 小池知事からは、「女性首長は増えてはいるが、まだ道半ばであるため、このような場でノウハウを共有し、女性の力を社会で発揮できる環境作りを行い、新たな気づきを得る場になることを期待したい」と語られました。
 吉村知事からは、「人口の約半分を女性が構成しており、女性の能力が発揮できていないことは社会の損失である。今日、共有したノウハウを現場で実践し、次世代のためにも女性が輝ける社会を皆で作りましょう」と語られました。
 小林会頭からは、「双方向のコミュニケーションを第一とし、対話によって次のステップが生まれる。女性ならではの感性で問題点に取り組み、次のステップに進めるため実のある会議になることを願っている」と語られました。

  • 小池 百合子
    東京都知事
  • 吉村 美栄子
    山形県知事
  • 小林 健
    日本・東京商工会議所会頭

応援メッセージ

 オーストリア連邦首相府 欧州連合・憲法担当大臣 カロリーネ・エットシュタードラ氏(駐日オーストリア大使代読)、ロサンゼルス市長 カレン・バス氏より、応援メッセージをいただきました。

  • 【発言要旨】
     欧州ではジェンダー平等が大きく進展しており、欧州委員会初の女性委員長誕生は特筆すべきことだ。一方で欧州理事会では女性リーダーが3/27ヶ国と意思決定の場ではまだ不足している。次世代に女性リーダーになるという選択肢を広げるため、働く環境を整えるなど社会全体が一体となり継続した努力が必要、実りある意見交換を期待する。

    エリザベート・ベルタニョーリ
    駐日オーストリア共和国大使
    カロリーネ・エットシュタードラ大臣の公務都合により、
    駐日オーストリア共和国大使が代読した。
  • 【発言要旨】
     東京都とロサンゼルスは強力なパートナーであり、文化やビジネスを始めオリンピックなど大きなイベントまで様々なことを学びあう関係にある。ロサンゼルス市は男女平等を推進していて、その多様性が市の誇りである。更なる発展にむけお互い手を取り合っていくことが重要、今日の会議が有益なものになることを願っている。

    カレン・バス
    ロサンゼルス市長

基調講演

 駐日ヨルダン・ハシェミット王国大使 リーナ・アンナーブ氏、昭和女子大学 総長 坂東眞理子氏に講演いただきました。 

  • 【発言要旨】
     ヨルダンの歩みとして、男性優位の文化が根強く残る社会構造に対して、先人たちが女性の権利の主張を続けた結果、現在では女性の政治への関心が高まり、教育の分野では科学、工学で修士、博士の60%が女性となっているが、キャリアパスには繋がっていない。女性の権利、ジェンダー平等への戦いは一部の人間の責任ではなく、世界を挙げた努力が必要である。
     女性参政権運動を推し進めた故市川房枝氏の「平和なくして平等なく、平等なくして平和なし」という言葉がそれを良く表現している。

    リーナ・アンナーブ
    駐日ヨルダン・ハシェミット王国大使
  • 【発言要旨】
     少子高齢化、DX化など様々な問題を解決するために今までとは異なる視点を持ったチェンジメーカーが必要。皆の力をインクルーシブし、課題解決のために一緒に進む新しいリーダーが求められている。世界に比べ、日本社会は女性活躍を応援する方向に急速に変わりつつあるにも拘らず、女性自身がアンコンシャスバイアスに縛られることも多い。まずは自らが変わることが重要であり、3つのS「シンパシー」「シェア」「サポート」が必要。女性首長が次世代に良いお手本を示すことを期待している。

    坂東 眞理子
    昭和女子大学 総長
    テーマ「今こそ求められる女性の品格」

女性首長と女性経営者、駐日女性大使によるパネルディスカッション

テーマ「女性活躍を推進するテクノロジーとジェンダー平等」

 パネルディスカッションでは、右記の8名により、意見交換を行いました。第67回国連女性の地位委員会では、女性のデジタルスキルの向上が主要のテーマに取り上げられたことをはじめとして、デジタル・テクノロジーの力を使い女性活躍推進を進めていくことについて議論しました。
 坂東 眞理子氏は、男女問わずICTを使いこなせば仕事の可能性が広がるが、一方女性はリモートワークで生産性が低下している現状もあり家庭での女性の置かれた環境も整えなければならないと訴えました。
 内藤市長は、徳島市では女性のデジタル人材の育成に力を入れ、地方創生の観点からも稼げる女性を育成するために地元の女性や中高生にも無料のデジタル教育を行うなどの取り組みをお話しされました。

  • 山﨑 結子
    青森県東津軽郡外ヶ浜町長
  • 岸本 聡子
    東京都杉並区長
  • 内藤 佐和子
    徳島県徳島市長
  • マリエタ・
    アラバジエヴァ

    駐日ブルガリア共和国大使
  • タンヤ・
    ヤースケライネン

    駐日フィンランド共和国大使
  • 豊田 浩子
    静岡県袋井商工会議所 会頭/
    丸尾興商株式会社専務取締役
  • 坂東 眞理子
    昭和女子大学総長
  • ⾕本 有⾹
    Forbes JA PA N執行役員Web編集長

女性首長と女性経営者、駐日女性大使による分科会

分科会① テーマ「DXの推進が女性の働き方を変える」

 分科会①では、右記の8名により、意見交換を行いました。
 国際経営開発研究所が発表した世界のデジタル競争力ランキングで日本が順位を落としたことを踏まえ、DXを通じて女性の働き方をイノベートし、潜在能力を最大限に発揮できる取組について議論しました。
 佐藤 弥斗市長は、市民・市役所・地域のDXを掲げており、LINEに登録してもらったことで、市民からの声もダイレクトに届き、市民・市役所・地域の皆様にとって便利な市役所となった事例についてお話しされました。
 井上 裕美氏はデジタル技術を使い、女性側も型にはまることなく自分のスタイルでキャリアを作り最適解すると全体が活性化されるのではないかと提言されました。

  • やまだ 加奈子
    東京都北区長
  • 田村 みさ子
    東京都西多摩郡日の出町長
  • 佐藤 弥斗
    神奈川県座間市長
  • 佐藤 有美
    愛知県長久手市長
  • 井上 頼子
    福岡県鞍手郡小竹町長
  • 澤谷 由里子
    名古屋商科⼤学⼤学院マネジメント研究科ビジネススクール教授
  • 井上 裕美
    日本アイ・ビー・エム株式会社 取締役執行役員╱日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社代表取締役社長
  • 内⽥ 裕⼦
    経済ジャーナリスト╱株式会社スイングバイクリエーション代表取締役╱イノベディア 代表

分科会② テーマ「女性が輝くためのライフ・ワーク・バランス」

 分科会②では下記の9名により、意見交換を行いました。男性の育児休暇取得率向上を始め、女性の能力を最大限に活かすための社会問題に対する解決策、多様な働き方の実現でイノベーションを生み出すライフワークバランス推進の具体策について議論しました。
 川俣市長は、市役所では働き方改革に率先して取り組んでいるが、昇格を希望しない女性職員も存在し、更なる職場環境整備が必要であることや、ワークライフバランス等に取り組む市内企業に対しての認定制度など、企業の成長発展の為の取組について話されました。
 池原 真佐子氏は、女性管理職、意思決定層の多様性を進めるヒントとして「組織の風土を変える」「女性が共有できるネットワーク作り」「ロールモデルを作る」の3つを挙げ、リーダーポジションを目指せることを示すのがD&Iに繋がる一歩であると提言されました。

  • 佐藤 ひさ子
    北海道虻田郡留寿都村長
  • 川俣 純子
    栃木県那須烏山市長
  • 真瀬 宏子
    栃木県下都賀郡野木町長
  • 和地 仁美
    東京都東大和市長
  • 金子 ゆかり
    長野県諏訪市長
  • 椋野 美智子
    大分県日田市長
  • 小室 淑恵
    株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長
  • 池原 真佐子
    株式会社MentorFor
    代表取締役社長
  • ⽜窪 万⾥⼦
    NHKラジオ深夜便インタビュアー╱株式会社メリディアンプロモーション代表取締役

分科会③ テーマ「多様な性と生を尊重する社会の実現に向けて」

 分科会③では、右記の5名により、意見交換を行いました。現在、LGBTQ+の認知度も上がり、差別を禁止する条例に賛成する人も増え、性の多様性を尊重する社会気運になっています。
 一方、パートナーシップ制度を導入している自治体は、日本全体で未だ19%に留まるなど、性的マイノリティ差別が、職場や学校等で依然と残る現状から、性の多様性を更に社会に広めるための方策について議論しました。
 アレクサンドラ・コヴァチュ大使は、自国の性の平等は様々な成果を挙げている。現在、LGBTQ政権となったことで、首相がパレードに参加する等、全国レベルで政府の支援があると話されました。
 森澤区長は、東京都ではパートナーシップ宣誓制度がスタートしている。本来は性的マイノリティの人達の同性婚等、国で認めるものだが、なかなか進まない現状からも、まず地域から進めていくのは非常に大事な事であると訴えました。

  • 山口 京子
    埼玉県蓮田市長
  • 森澤 恭子
    東京都品川区長
  • 丸⾕ 聡子
    兵庫県明石市長
  • アレクサンドラ・
    コヴァチュ

    駐日セルビア共和国大使
  • 大村 朋子
    国際ジャーナリスト╱バイリンガル司会者╱NHKワールドラジオニュースデスク

 分科会④ テーマ「女性の尊厳と誇りを守る社会をめざして」

 分科会④では、右記の7名により、意見交換を行いました。
SR HRについては、世界的にも関心が高まっており、SDGsの中でも3、5番目のゴールに設定されているなど、日本でも主体的に取組むべき課題です。
 そのため、全ての女性が自分の生き方や身体のことを自分で決めるという自己決定権が保障され女性の尊厳が守られる社会に向け、どのような取り組み方があるか、また実施されているかについて議論しました。
 小川村長は、住民の思いや考えを声にしてもらうこと、そしてその思いに寄り添いながら、新たな女性の視点を施策に加え、あらゆる差別を解消し尊厳と誇りを持てる社会の構築が必要であると話されました。
 瀧澤市長は、女性にはライフステージに応じた健康課題があるが、制度の充実など女性が自分らしく働ける環境整備や、社会全体の理解が必要であると話されました。

  • 小川 ひろみ
    宮城県黒川郡大衡村長
  • 大川 秀子
    栃木県栃木市長
  • 大澤 タキ江
    埼玉県秩父郡長瀞町長
  • 石井 宏子
    千葉県君津市長
  • 瀧澤 智子
    大阪府池田市長
  • カーフワ・トーファス
    駐日ウガンダ共和国大使
  • 大崎 麻子
    特定非営利活動法人Gender Act ion Platform 理事

宣言文発表

 全国55名の女性首長により賛同された宣言文を発表しました。  

閉会のご挨拶

 小池知事より閉会の挨拶が行われ、宣言文を基にしっかりと我々が行動して次世代へ繋いでいくことが重要だと伝えました。さらに、会議で共有したノウハウをシェアしながら社会全体のマインドチェンジに繋げ、人口の半分を構成している女性の力をどうやって活かしていくかということが、日本のエネルギーをより活性化していく大きな根源になっていると話されました。
 また、会議と同時開催の丸の内マルシェについても触れながら、「お互いに助け合ってより多くの仲間を増やしていきましょう」と女性首長の皆様へ呼びかけ、挨拶を締めくくりました。

写真撮影


  • 小池知事・吉村知事・女性首長

  • 小池知事・吉村知事・女性首長・駐日女性大使・女性経営者・モデレータ

びじょネット 丸の内マルシェ

 「女性首長によるびじょんネットワーク(通称:びじょネット)」 の開催と合わせ、参画自治体のPRを目的としたご当地品を販売するマルシェを期間限定のポップアップストアとして開催しました。
 丸の内での開催2年目となる今回は、参画自治体に加え、大使館からご推薦いただいた事業者からもご出店頂き、多くのお客様が来場され大盛況に終わりました。

開催場所
J R東京駅地下1階(改札内)「スクエア ゼロ」(東京都千代田区丸の内1-9 JR東京駅構内)
開催期間
令和5年10月7日(土)~10月11日(水)
事業者数
37事業者
商品数
97商品
商品概要
食品、洋菓子/和菓子、雑貨類、酒類/飲料
参加自治体一覧
  • ・宮城県仙台市
  • ・山形県
  • ・茨城県土浦市
  • ・栃木県栃木市
  • ・栃木県下都賀郡野木町
  • ・埼玉県行田市
  • ・埼玉県和光市
  • ・千葉県鎌ケ谷市
  • ・千葉県香取郡多古町
  • ・東京都
  • ・東京都江東区
  • ・東京都豊島区
  • ・東京都北区
  • ・東京都足立区
  • ・東京都西多摩郡日の出町
  • ・福井県大野市
  • ・兵庫県宝塚市
  • ・岡山県倉敷市
  • ・福岡県宗像市

計19自治体

参加大使館一覧
  • ・メキシコ合衆国
  • ・ヨルダン・ハシェミット王国
  • ・ブルガリア共和国
  • ・セルビア共和国
  • ・ウガンダ共和国

計5大使館


  • ▲巨大なサイネージで会議をPR

  • ▲アンケート回答ノベルティのエコバック

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